丹後ゴージャスとその職人【小石原将夫氏・小石原充保氏】

遊絲舎代表小石原将夫氏は、現在日本で唯一藤布の織り技法を脈々と守り続けており、一貫してその一本の藤糸作りから行っています。曰く「古代人は自然を神と敬い、畏敬の念をもって自然と共に生活して来ました。」

 

いにしえの縄文の頃から織りつがれてきた日本最古の原始布、藤布(ふじふ)。かつては命を守る衣装として織りつがれてきました。その手間暇のかかる技法と貴重な原料としての藤が入手が容易くないということもあり、現在では国の重要有形文化財として指定を受けています。

 

世界でもこの珍しくも美しい織物は、海外バイヤーの目に止まり、フランス・パリで開かれる展示会プルミエール・ヴィジョンの中でも希少価値や技術の高い匠が招待を許されるメゾンデクセプションに招致され、今や世界的にも美しい布地としての評価を確立しています。

 

藤布は、表皮を除いた中皮を利用するため、藤の蔓を大槌で叩いて皮を剥ぎ、中皮を取出し乾燥させます。この中皮を、化学薬品などを用しない昔ながらのアルカリ値の高い灰汁で、4時間ほど炊いて分離した繊維を細かく砕き、すり合わせ(これを藤績みといいます、こうすることで結び目のない、滑らかな長い一本の糸となります)全部で十ほどの長い工程を経てはじめて藤布製品になります。

 

自然と一体となって暮らしを営んでいた古来の技法で織りなされるものは、やはり天然でしか得ることができない素朴な温かさがあります。

また近年藤の弦が取れにくくなったこともあり、藤布の普及と共に訪れる人々にも楽しむことができるような衣のまほろば「藤の郷」を完成させ、次世代へのバトンを繋いでいます。

20140807-07